京都のヴィパッサナー瞑想合宿体験記。挫折を味わった10日間

 

ウエルカム。

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京都のヴィパッサナー瞑想合宿10日間コースに参加してきました。合宿の概要を説明すると、

 

・1日10時間の瞑想

・21時半就寝4時起床

・スマートフォンはもちろんのこと、書物やメモの類も持ち込み禁止

・会話禁止(聖なる沈黙)

 

こんなところでしょうか。

 

 

むっちゃ寝てましたよね?

 

コース全体を通して、精神的にかなりキツかったです。2日目の夜からすでに帰りたくなっており、残りの8日間は耐え忍んでいました。

 

4日目から本格的なヴィパッサナー瞑想がスタートするのですが、その講義中に静かな瞑想ホールで暴れだしたくなるぐらいストレスを感じていました。コース申込時と施設到着時に「10日間はこの施設から一歩も出ません」という誓約をするのですが、それがなければこの時点で帰宅していましたね。

 

ストレスを感じていた原因の1つは、寝られなかったことです。普段の就寝時間は0時を過ぎるのが当たり前の生活をしていますし、そもそも私は長時間寝られないので細切れに寝る生活をしています。サラリーマンのときは夜、昼、夕方と1日3回、会社を辞めてからは夜と昼で1日2回寝ている感じです。

 

そんな私なので、21時半就寝朝4時起床の集団生活なんてできるはずもなく、さらに寝なければならないという焦りから余計に寝られなくなり、気づいたら21時半就寝23時起床の睡眠時間2時間というひどい生活サイクルになっていました。娯楽は何もないので、暗闇で朝が来るのをひたすら待っていました。

 

さて、この短時間睡眠の弊害はどこに現れるかというと、日中の瞑想です。

 

スケジュールでは1日10時間の瞑想となっていますが、瞑想ホールでの瞑想が義務付けられているのは3時間半だけです。残りの6時間半は瞑想ホールか寝室の2択で瞑想場所を自分で選べるんですよね。

 

ということで、瞑想をサボって寝室で寝まくってました。その結果、参加者同士の会話が解禁される10日目に、相部屋の青年から「むっちゃ寝てましたよね?」と言われることになったのです。

 

 

ブービー賞

 

ストレスを感じていた原因の2つ目は、瞑想がうまくできなかったことです。4日目からは身動きを取らずに1時間の瞑想を求められるのですが、10日間で1回も成功しませんでした。集中力がきれて目を開けると、周りは仏像のように瞑想しているわけです。集中力の持続が明らかに私だけ劣っていました。

 

周りが当たり前にできていることを自分だけできないことでさらに帰りたくなりました。

 

今回の日本人参加者は25人ほどいたのですが、そのなかで優劣をつけるとするのであれば、私は下から2番目です。最下位は初日で脱落して施設から消えた青年です。つまり、10日間コースを終えたなかで私は最下位です。それも圧倒的最下位です。

 

10日目に参加者同士の会話が可能となります。そのときに、他の人の瞑想体験を聞いていたのですが、自分より圧倒的に進んでいました。

 

「次々と出てくるサンカーラ(渇望・嫌悪)を消すのが楽しかった」

「サンカーラを消したときに身体が溶けるような快感があった」

 

。。。まったく会話についていけませんでした。サボっていたから当然なのですが。

 

また、この10日間コースに5回参加して、さらに別のコースを1回受けると20日間コースに参加する資格を得られるのですが、それを視野に入れている人もちらほらいました。曰く、「10日間でこれだけのものを得られたのだから、20日間だとすごいことになる!」とのことですが、「早く帰りてぇ。もう2度とゴメンだね」と考えていた私は圧倒的な差を感じました。

 

ちなみに、さらなる高みである30日間コースも存在します。もう天上人やで。

 

 

私にとっては3日間が適度

 

そんな落伍者の私ですが、それでも30分程度の瞑想ならできるようになりました。「瞑想を日常生活に取り入れて集中力を上げる」という当初の目的からすれば、30分でも非常に非常に大きな収穫です。満足しています。

 

そもそもこのヴィパッサナー瞑想は心の浄化をして真の幸福を得ることを目的としているので、私は場違いだったのかもしれません。

 

しかしながら、少し大袈裟になりますが、この10日間で生まれ変わった感覚はあります。たった10日間で生まれ変わったなんておこがましいですが、大層なことではありません。

 

想像していただきたいのですが、

 

インターネット、書物からのインプット禁止

考えを書き留めるなどのアウトプット禁止

自然に囲まれた山奥での生活

朝から晩まで瞑想するだけ

 

という生活を10日間も行えば、情報過多の現代では、ほとんどの人がリフレッシュした感覚を得られるのではないでしょうか。

 

情報の豊かさは注意の貧困をつくる
By ハーバート・サイモン

 

この「情報のシャットアウト」という環境だけでも価値があると思っています。自分の意思だけではインターネットを我慢するなんてできません。

 

ということで、次は3日間のボランティアとして参加するなら良いかなと思っています。今回の合宿で1日10時間の瞑想なんてとてもできないことがわかったのですが、ボランティアとしてならおそらく1日で義務付けられている瞑想時間は3時間半だけで、それ以外の時間は仕事をする生活でしょうから大丈夫そうです。このヴィパッサナー瞑想センターは寄付だけで成立しているので、自分の労働力を提供するという恩返しも兼ねています。

 

 

気になった方は参加してみてください

 

瞑想ブービー賞の私がつらつら書かせてもらいました。もしも「瞑想合宿に参加するぞ!」と意気あがっている方が、私の文章を読んでヤル気を削がれたならごめんなさい。サボってはいけません。みなさんは1日10時間の瞑想をがんばってください。

 

瞑想合宿を終えてから1週間が経ちました。起床後20分の瞑想を日課にしています。瞑想を生活のなかに取り入れることが出来たこともあり、この瞑想合宿は私の人生にとってプラスの出来事だったと思っています。

 

私とみなさんの瞑想ライフに幸あれ。サヴェマンゲ〜。私からのアドバイスはこちらになります。