セミリタイアという呼び方のほうが好きです
あの年から9年が経ちました。
『お金を貯めて会社を辞める』という考えを発信したいと思い立ち、厦門(アモイ)のアパートの一室で、Jimdoというサービスを使って『セミリタイア生活の綴り』というホームページを立ち上げました。当時、セミリタイアというテーマを語ることは、ネット上でしかできなかったのです。
2021年の世の中では、セミリタイアはFIREへと名前を変えてブームらしい。
それでもやはり、ネット以外ではFIREしたい人に出会ったことがないが、ブームらしい。
仕事の無意味さ、資本主義の理不尽さ、生活にお金はそこまで必要ではないことに若者はどんどん気づいているのだと思います。
実際に手を動かして働いている現場に近づけば近づくほど給料は下がります。
お金の価値は減少していますが、労働者として受け取る給料は上がりません。
テレワークで浮き彫りになった無意味な仕事。普段、会社で何の仕事をやっているのかわからない人たちは、本当に何もしていなかったことがわかりました。テレワーク暇人として、家でごろごろしています。
それでも会社は回ります。
ただ何かをする必要性に追われ、価値は何も生み出さない、問題解決にはいたらない無意味な仕事が提案されていたのです。
サラリーマンをすることにより、貴重な時間と交換するものは何か。客や上司から指示された無意味な仕事と、価値の下がるお金です。
そのような状況に置かれていて、もしもその人がお金をかけずに楽しめる人だったら、無職を選択すると思います。世の中にはお金のかからない娯楽であふれています。お金持ちの行動もSNSで可視化され、たいして特別なことはしていないことがわかっています。
生活に必要な額以上のお金は、社会的ステータスを保つために使われる地位財です。
流行っているのは、Financial independenceではなく、Independence from Moneyです。 お金からの自立です。資本主義から片足出ることです。片足を突っ込んでおくのは、お金が便利だからです。
資産や生活費の多寡で無職者にとやかく言う人は、この点をわかっていないです。
サラリーマンという社会的ステータスのために働くことを馬鹿らしく思った人に対して、 お金の多寡による社会的ステータスで判断することは判断基準が違うのです。
地位財のためにあるサラリーマンという職業。地位財のためにある積み上げたお金。これらのために、働き続けるのが馬鹿らしいと思った人たちなのです。
そして、無職を馬鹿にする人に問いたいです。あなたたちの仕事は価値を生み出せているのですかと。無意味な仕事をして、ただ会社からベーシックインカムを受けっているだけではないのですかと。