会社を辞める勇気。そしてセミリタイア中の人々が目指すべき方向性とは?

 

今更ながらベストセラーとなった『嫌われる勇気 』を読みました。まず最初に驚いたことがありまして、著者の1人が『20歳の自分に受けさせたい文章講義』と同じだったことです。もう一回読み返そうかなと考えていたので、まさかこんなジャンルで再び出会うとは思ってもみませんでした。 

 

会社を辞めた人はアドラー心理学で癒される 

 

さて、本日のブログ記事は「会社を辞める勇気」であるわけですが、アドラーの考え方の1つに、他人からの評価を得るためにではなく自分らしく生きようといったものがあります。ここで、P52からを引用します。

 

もしも「このままのわたし」であり続けていれば、目の前の出来事にどう対処すればいいか、そしてその結果どんなことが起こるのか、経験から推測できます。いわば、乗り慣れた車を運転しているような状態です。多少のガタがきていても、織り込み済みで乗りこなすことができるわけです。

 

一方、新しいライフスタイルを選んでしまったら、新しい自分に何が起きるかもわからないし、目の前の出来事にどう対処すればいいかもわかりません。未来が見通しづらくなるし、不安だらけの生を送ることになる。もっと苦しく、もっと不幸な生が待っているのかもしれない。つまり人は、いろいろと不満はあったとしても、「このままのわたし」でいることのほうが楽であり、安心なのです。

 

この文章は変わることの恐怖について書かれたものであり、それでも勇気を持って変わることを説くアドラー心理学は、まさに自分らしく生きようと会社を辞める不安を乗り越えた私たちに通じるものがあります。

 

 

会社を辞めた人が目指す方向性

 

私は28歳で新卒入社の会社を辞めたわけですが、辞めた理由は貴重な時間をやりたくない仕事に費やしていたら将来後悔すると思ったことが挙げられます。新卒入社の会社に定年まで勤めるという道は、一本道とまでは言わないですが「結婚するorしない」「子どもをつくるorつくらない」「家を買うor買わない」ぐらいの分かれ道しかありません。道中に迷うことは少ないでしょう。

 

 

一方、自分らしく生きようと決断した途端、人生は分かれ道の連続になります。どの道に行くかで迷うようになるわけです。そして、到達地点はわかりません。

 

 

ここで、到達地点はわからないにしても、方向性ぐらいは持っておいたほうがいいなと常々考えていたんですよね。すると、この嫌われる勇気 』に参考となることが書かれていました。何が書かれていたのか、あなたもきっと気になることでしょう。P279~から引用します。

 

人が自由を選ぼうとしたとき、道に迷うことは当然あるでしょう。そこでアドラー心理学では、自由なる人生の大きな指針として「導きの星」というものを掲げます。

 

<中略>

 

あなたがどんな刹那を送っていようと、たとえあなたを嫌う人がいようと、「他者に貢献するのだ」という導きの星さえ見失わければ、迷うことはないし、なにをしてもいい。嫌われる人には嫌われ、自由に生きてかまわない。

 

「他者に貢献しよう 」というだけのシンプルなメッセージです。わかりやすくていいですね。

 

 

最後に

 

この本はベストセラーになりました。先を見据えたレールの上を歩む人生を否定する考え方に多くの方が触れているというのは嬉しくもあります。

 

しかしながら、それでも自分らしく生きる人は少ないでしょう。書かれていることを理解する人は少数派、そして実際に行動を起こす人はさらに少数派になるのですから。