新興国の謎。デフレの申し子日本人の節約家は世界に通用する

 

今までアパートを借りて生活したことがある国は、中国、タイ、カンボジアです。まだ海外に住んだ経験がなかったときは、新興国は激安というイメージを持っていました。たとえば、「中国人の給与は日本人の3分の1ぐらいだから、日本と同じ質のサービスは3分の1で受けられるのだろう」といった具合に。

 

ですから、23歳で初めて中国に滞在したとき、期待していたのとは裏腹に物価が安くないことに少なからずショックを受けました。日本と同等の生活をしようと思えば、日本と同じぐらいかそれ以上の出費が必要だったのです。

 

そしてまた、コーヒーが1杯300円するようなカフェ、1人あたり2,000円するような火鍋屋に現地の客がわんさか入っていることにも驚きました。現地の人たちは一体どこからお金を捻出しているのでしょうか。

 

タイに行けば、現地の人々は頻繁にトゥクトゥクやバイクタクシーに乗ります。私が道を尋ねて歩いていこうとすれば、乗ることがさも当然かのように「あそこからバイクタクシーに乗ればいいよ」と親切に言ってくれます。いや、高いんですよ。2km程度なら私は平気で歩きます。

 

海外は節約するために行く場所ではない

 

新興国の経済発展により、給料の高い日本でお金を貯めて海外で安く過ごす外こもりは、節約家でなければ不可能です。そして、海外は節約することを目的に行く場所ではないと思っています。新興国で月額10万円以下で過ごせる人は、日本でも同様に月額10万円以下で過ごせるでしょう。また、日本で過ごしたほうが快適である面もあります。

 

日本は低価格の商品の質が異様に高いですよね。メルカリやヤフオク、クーポンを組み合わせれば、コーヒー1杯100円以下です。

 

新興国でも安い商品はあるのですが、当たり前のように質は低くなります。

 

日本では、世界で売上を伸ばしていたマクドナルドのハンバーガーが低迷するぐらいに様々な外食産業が発達していますし、100均ショップなんて信じられない品揃えです。中古市場も発達しているので質の高い商品を安価に手に入れられますし、人口減により家は余っている状態です。

 

20年間続いたデフレにより、日本人節約家たちのコストパフォーマンス意識は、新興国の人々では到達できない境地に達しています。

 

 

新興国の謎

 

それにしても、時給200円ぐらいで働いている人たちが1杯300円のコーヒーを平気で飲んでいることにいつも違和感を感じます。日本の節約家は、スターバックスなんて絶対に行きませんよね。

 

私は2008年からずっとiPhoneを愛用しているので、シムフリーのスマートフォンが欲しくなったときには、iPhone 5cをヤフオクの中古で購入しました。もっと安価なスマートフォンはたくさんあるのでiPhoneはプレミア価格があるなーなんて思っていたのですが、プノンペンでは多くの人がiPhone 6sを使用しており驚きました。2年間働いたお金で購入したとのこと。

 

たんなる金銭感覚の違いなのでしょうけども、それにしても「この現地の人たちは本当に給料が少ないのだろうか?」といつも疑問に思います。家計簿を覗いてみたいですね。